「保険って、いざという時に役に立たないよね」
損害保険に関わっていると、こうした言葉を耳にすることがある。
SNSや口コミでもよく見かける表現。
ただ、この言葉の裏側をよく見ていくと、”保険そのものが役に立たないというより、期待していた役割と現実がズレている”ケースがほとんどである。
今回は、なぜ損害保険が「役に立たない」と言われがちなのかをプロ目線で整理してみようと思う。
「役に立たない」と感じる瞬間はいつか
事故やトラブルが起きたとき
多くの場合、この言葉が出るのは事故・トラブルが実際に起きた後。
・思ったより保険金が出なかった
・対象外だと言われた
・手続きが面倒だった
こうした経験が重なると、「結局、保険は役に立たない」という感想につながる。
契約したときではなく「結果」で評価される
保険は、加入した瞬間に価値が分かるものではない。
結果が分かるのは、何年も後、あるいは一生に一度あるかどうか。
そのため期待が膨らみやすい商品でもある。
理由①「何でも補償されると思っている」
保険は万能ではない
損害保険は「何かあったら全部助けてくれるもの」ではない。
実際には、
・補償される範囲
・補償されないケース
・条件や免責
が、かなり細かく決まっている。
説明を受けたつもりでも、理解は別
契約時に説明を受けていても、内容を全て覚えている人はほとんどいない。
その結果、イメージだけが一人歩きし、現実とのギャップが生まれる。
理由②「生命保険と同じ感覚で考えている」
「満額もらえる」という思い込み
生命保険では、決まった金額が支払われるのが一般的である。
この感覚のまま損害保険を見ると、「契約金=もらえる金額」と思ってしまいがち。
実際は「実損補償」
損害保険は実際に発生した損失を支払う仕組み。
損失以上のお金は出ない。
ここを知らないと、「思ったより少ない」と感じてしまう。
理由③「約款を読んでいない(読めない)」
読まれていない前提で作られている
正直に言うと、約款は一般の人が最初から最後まで読む前提では作られていない。
文字量も多く、専門用語も多い。
でも、重要なポイントは限られている
全てを読む必要はない。
実務上、重要なのは
・補償の対象
・対象外となるケース
・金額の考え方
このあたりである。
ここを知らないまま事故が発生すると、「そんなの知らなかった」という感情が生まれる。
理由④「保険に期待しすぎている」
保険は”解決策”ではない
損害保険は、問題を解決してくれる魔法ではない。
あくまで、金銭的なダメージを軽くするための仕組み。
時間・手間・ストレスは残る
事故やトラブルが」起きれば、
・手続き
・やり取り
・精神的な負担
これらはゼロにはならない。
この現実を知らないと、
「思ったより大変だった=役に立たない」
と感じやすくなる。
理由⑤自分に合っていない保険に入っている」
他人基準で選んでしまう
・みんなに勧められたから
・みんなはいいるから
・なんとなく安心そうだから
こうした理由で選んだ保険は、いざという時にズレが出やすいくなる。
保険は「相性」が大きい
生活環境や価値観によって、必要な補償は変わっていく。
合っていない保険は、どんなに立派でも「役に立たない」と感じてられる。
「役に立たない」を避けるために大切なこと
保険に期待しすぎない
損害保険は、「全部を守ってくれる存在」ではない。
役割を正しく理解することが第一である。
判断基準を持つ
商品名よりも、
・何が起きたら困るか
・どこまでなら自分で対応できるか
この視点を持つだけで、保険の選び方は変わる。
分からない部分を放置しない
分からないままにしないこと。
それだけで、「役に立たない」と感じる可能性は下がる。
まとめ|保険が役に立たないのではなく、ズレているだけ
多くの場合、問題は保険そのものではない
損害保険が本当にまったく役に立たないケースは、実はそれほど多くない。
ズレを減らすことが重要
期待と現実のズレを減らすことで、保険は「使える道具」になる。

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